申立人の日記

Xジェンダー同士である申立人(X1, X2)の日記

2021年6月16日

この裁判とは直接関係のない話ですが、先日我が家に国民生活基礎調査の調査票が届きました。

昨年国勢調査の時と同様、性別欄を見ると「男」「女」しかありませんでした。

国勢調査の時には自認の性を書いてよいことになっていたそうですが、そもそも自認の性が二人とも男女にあてはまらない為、男・女の二択から選択しなければならないこと自体に、不安を覚えました。「その他」、「回答しない」など、性自認が男女に当てはまらない人や答えたくない人も想定した回答欄にしてほしいと思いました。

また、「世帯主」と「世帯主との続柄」を書く欄がありましたが、性的指向と性自認、二人がパートナーである事はほとんどオープンにしていません。同居者がいることがわかると、職場などで関係性を尋ねられてしまう恐れもあるため、私達は二人とも「世帯主」になっています。

住民票を作成する時には、役所の職員の方から、ひとつの家に住んでいてもそれぞれ世帯主にはなれるとのことでした。しかし実際こうやって調査票が届くと世帯主は一人分の名前しか書く欄がありません。このあたりの連携はどうなっているのだろうと思います。

シスジェンダー男女の夫婦プラス子どもの世帯という家族形態の様式だなと感じました。主に男性が世帯主、女性が配偶者のような形で男性の名前が上にきて、女性の名前が下にくるような。

男女の非対等な関係も問題だと思いますが、私達二人の関係は対等な為、「世帯主」・「世帯主の配偶者」というように、主・副のような関係性を表すことそれ自体にも違和感を覚えました。

法令上男女の夫婦であれば、婚姻届の受理と同様、こういった調査にも手順通りすんなりと回答し、なおかつ国からも数えられるのかもしれませんが、性別欄も関係者のところも二人でうんうんと唸りながら話し合っていたら、書類を書くのに、ものすごく時間がかかってしまいました。こういった手続きに、私達はいちいち、立ち止まらざるを得ないのです。

結局、エラーになるだろう(もしくはルームシェアだと思われるかもしれない)とは思いつつも、二人とも世帯主という現状を表すために、二人目の欄にも「世帯主」の欄を自筆で作り、私達は二人とも性別欄には回答しませんでした。(国勢調査の際には、戸籍上の同性の性別と、世帯主と配偶者にしましたが、それだと心情的に、どうにもしっくりきません。)

法令上男女の婚姻のみを想定した調査票は、とても回答しづらいばかりか、調査の上で数えられない存在、把握されない存在であることを、改めて肌で感じました。(X1, X2)

2021年3月31日  ウェブサイトを公開します。緊張しますが、ホームページをご覧頂いた方の中で、X1とX2の様に結婚したくてもそれが叶わない方や、「女性か」「男性か」という男女二元論が前提の社会に生き難さを抱える方の目に留まることを願っています。

私達二人にとっては、性自認がXジェンダー同士であることが本質的に「同性」という意味が大きいですが、例え性自認がXジェンダー同士(もしくは性自認が男性同士、女性同士)であっても、法令上の性別が男女であることから結婚が可能なカップルもいらっしゃる事を思うと差は何だろうと疑問に思います。

男女二元論に該当しない存在である事と共に、法令上の性別が同じである事で、婚姻だけでなく様々な制度からこぼれるてい事を日頃感じますが、この裁判では、性的指向・性自認ともに大切なものとして尊重され、それが生命を大切にされているように感じており、とても心強く思っております。

性自認が「男性である」「女性である」といった性別二元論に該当しないと感じている人の存在が社会に知られ、日常生活を暮らしやすくなる契機になってほしいです。(X1)

2021年3月18日  初めて報道された事を伺いました。セクシュアリティや私達二人の関係のことは、数少ない共通の友人以外には、開示致しておりません。このため、弁護士さんが取材を受けてくださった事も、心底有難く思いました。記事を拝見し、私達二人の法令上の性別が書かれていないことも嬉しく、安心し、思わず涙が出そうになりました。X2のシンプルでストレートなコメントにもよく言ってくれたと思いました。(X1)

2021年2月19日  X2にもこちらの申立人の日記を書いてくれないか頼んだ所、「男女であれば結婚するのにここまで一生懸命にならなくて良いにも関わらず何故このような事をしなくてはならないのか」と法令上の性別が同性であるために結婚ができない事そのものに怒りを覚えている様子で、隣でゲームをしております。ただこれはとても大切な視点なのではないかとも感じました。X2によると私よりも言いたい事は沢山ある様子である為、同意を得て代わりに書いておきたいと思います。(X1:X2の代筆)

2021年1月15日 弁護士さんに、申立書に関するお話を伺いました。申立書の構成を知り、更に驚くばかりです。また、存在を大切にされているようで、心強く感じました。申立てを機に、「男性である」「女性である」といった性別二元論に自分の性自認が該当しないと感じている人の存在も知って欲しい、誰もが日常生活を暮らしやすくなって欲しいと思いました。(X1)

2021年1月4日  申立書類一式が届きました。分量を拝見し、驚いております。内容を拝見し、更に言葉にならない感銘を受けております。性的指向だけでなく、男女2つだけに該当しない性自認のことも大切に扱って下さっているように感じた上、生物多様性を含む生命の進化という視野から人権を語られている部分にも感銘を受けました。始まるまで全く想像もつきませんでしたが、申立書はこんな風に作られ、裁判というのはこんな風に進んでいくのだ・・と思います。 (X1)

2021年1月3日  弁護士さんから、裁判所に送られたという大きな段ボールの写真が送られました。緊張します。(X2)

2020年12月29日  「Xジェンダー同性婚を支える会」の皆さんと、リモートでお話しさせて頂きました。このウェブサイトの事や、これからの事等をお話しさせて頂きながら、あまり人にお話ししたことのない性自認の事を安心して話せていることも感じておりました。(X1)

2020年12月16日  X1, X2 各々の陳述書を弁護士さんに郵送しました。無事、届く事を祈ります。 (X1, X2)

2020年12月15日  X1, X2 各々の陳述書を印刷しようとした所、自宅のプリンタのインクが切れていた為コンビニで印刷し、二人で大事に持って帰りました。 (X1, X2)

2020年11月28日  弁護士さんとお会いし、性自認の事、性的指向の事、二人の生活の事等々色々なことをお話しさせて頂きました。弁護士さんからは、法律論や、生物多様性等のお話を伺わせて頂きました。 (X1, X2)

2020年10月某日  「〇性同士を当事者とする婚姻届は、不適法である」という理由の書かれた不受理通知が届きました。確かに私達の法令上の性別は〇性同士ですが、性自認は二人とも異なる為、X1, X2の事を書かれている気がせず、ただ、茫然としておりました。その後、静かに心が悲しくなり、うまく言葉に表せるか自信が無いのですが、呼吸が苦しくなり、立ちくらみがしました。ただ、このような存在が知られていないというだけで誰が悪いわけでもないと思いますが、存在をないものにされた悔しさの様なものを感じ、頭に酸素が行き渡らなかった為なのかもしれません。性自認も、法令上の性別も女性同士、男性同士といったシスジェンダーのカップルであれば、法令上の性別を書かれても困ることはないのではないかとも思いますが、辛くなりました。せめて「”法令上の” 性別が〇性同士」といった表現をして頂きたかったと感じます。(X1)

2020年10月某日  二人で婚姻届を提出しに行きました。初めて婚姻届を書きました。戸籍の性別が同じですと無理なのだろうと思ってはいましたが、届を書くのに、とても緊張しました。役所に行く時も、とても緊張しました。シスジェンダー・ヘテロセクシュアルの男女の結婚の場合も窓口で説明を受けるのかどうかはわかりませんが、受付の方から、受理するのは難しいという説明を受けました。泣くつもりはありませんでしたが、受付の方々の説明が丁寧だった事に余計に悲しくなり、普段はあまり泣かないのに自然と目から涙が流れ落ちていました。(X2)

2020年10月1日  弁護士さん達に今回の法律に関するお話を聴かせて頂きました。「戸籍上の性別は同性」ということは事実であっても、その意味での「同性」というよりも、二人の「性自認が同性」ということの方が、私達にとって本質的な “存在そのもの” に関わる部分です。意味がとても大きいのです。と、正直に感じていた事もお話しさせて頂きました。X1, X2の事を丁寧にお話しさせて頂いたところ、聴いて頂けて、私達が安心して話せる場所はまだ貴重ですのでこういった事を率直に話す事ができた事は、心底有難いと感じました。ただ法律の話は難しく、お話についていくのに精一杯でした。(X1)

2020年9月10日  二人で話し合い、やろうと決めました。 (X1, X2)

2020年9月4  弁護士さんと初めてオンラインでお話をさせて頂きました。その晩、どうしようかと二人で夜な夜な話し合いました。(X1, X2)

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